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日本に誇りがあると答えた人は何割?國學を学ぶメリットと勉強方法を紹介

2025年2月15日
土岐総一郎 土岐総一郎
チュアプレス

現在の日本人が誇りに思うことと國學を学ぶのは関係があるのか

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國學塾

日本に誇りを持っている人は意外と多いのです。現代の日本人が自国に誇りを持っている割合や誇りに思う事柄の調査データを見てみましょう。また、なぜ日本人が声を大にして「自国に誇りがある」といえないのかをご紹介します。

日本は自国への誇りを持つ人が少ない?

2014年6月に内閣府が発表した意識調査によると、日本国民であることに誇りを持っている若年層の割合は、7割ほどです。わからないと答える人が2割ほどいますが、「誇りを持っていない」と答えた人は1割以下。

韓国は「誇りを持っている」と答えた人が6割、「誇りを持っていない」と答えた人が約2割なので、日本人は自国に誇りを持っている国民だといえるでしょう。

日常的に「日本人で良かった」「日本が大好き」と言語化している人が少ない割には、日本に誇りを持っている若者が多いといえます。

日本人が誇りに思うことの第一位は?

同時期に国際比較調査グループISSPが行った「国への帰属意識」の調査結果から、日本人がとても誇りに思う事柄は、次の通りです。

・科学技術の分野で日本人が成し遂げたこと…52%

・スポーツ分野で日本人が成し遂げたこと…45%

・文学芸術の分野で日本人が成し遂げたこと…44%

そのいっぽうで、日本の歴史について「とても誇りに思う」と答えた人は全体の20%に留まりました。

戦後の日本人が成し遂げた技術やスポーツの結果などを誇りと思う人が多く、日本の歴史を誇りに思う人が少ないのが現状といえます。

戦前と戦後の教育が大きく変わったため

なぜ、日本人は自国に誇りがあると答える人が多いのに対し、日本の歴史には誇りが持てないのでしょうか。それは、現代の日本人が本当の歴史や日本が建国されたストーリーを知らないからです。

第二次世界大戦で連合国に敗れた日本は、それまでの教育勅語や古事記、日本書紀に基づいた教育が廃止されてしまったのです。日本の成り立ちであるストーリーを教わる機会がなくなったといえるでしょう。加えて、戦争に関わった官僚や支配層を悪役とし、「全部間違いだった」と言われてしまいました。

「794年に都を平安京に移しました」「聖徳太子が十七条憲法を制定した」などの歴史的な出来事を教わるだけで、出来事の背景にある理念やストーリーを学ぶ機会がなくなってしまったのです。

自国の本当の歴史を知らず、戦争の悪役となってしまったため、日本に誇りがあると言いたくても自信を持って言えない状態となっているのでしょう。現代の日本人が知らない、失われた歴史を國學では学ぶことができます。

参考:Yahoo!ニュース「若者の「自国民としての誇り」「自国に役立つと思うことをしたい」意識、実は日本は高め」

参考:日本人が持つ国への愛着とは

國學を学ぶと自分自身や生き方も変わる?3つのメリット

國學は、江戸時代にできた学問です。日本の伝統的な学問や文化、歴史に関する研究・理解を行います。「日本をもっと知りたい」「日本人として誇りを持ちたい」と思う方は、國學を学ぶのがオススメです。國學を学ぶとどんな変化が起こるのか、3つのメリットをご紹介します。

①日本の起源がわかる

國學では次のような内容を学びます。

・神学…神社や神道といった古くからある日本の信仰

・有職の学…律令や法制、儀式などの決まり

・記録…日本書紀をはじめとする六国史や歴史書などで時代を見つめる

・歌学…古い歌文の注釈や文法の研究

國學では、現代の教育現場では教わらない本当の日本の起源や歴史を学べます。日本人としての誇りをうまく言葉にできない方や、今の日本人が誇れる技術・スポーツに対する精神がどこからくるのか、國學を学ぶと見えてくるでしょう。

②自己肯定感が上がる

自己肯定感とは、ありのままの自分を認めて受け入れ、自分に自己価値を感じ、自らの存在を肯定する感覚です。自分の居場所に愛着を持ったり、生まれてきて良かったと思えると、自己肯定感が高まってきます。

しかし、今の日本人は、自分自身に満足する感覚が低く、不安や恐れに囚われやすいです。日本の本来のストーリーや精神を知らないため、居場所である自国に愛着を持ちにくいと考えられます。

國學を学んで自国への愛着が湧いたり、自分のルーツがわかると、自己肯定感が高まります。

③他の国との違いを意識できる

日本がどのように成り立ってきたかを知ると、他の国との違いを認識できます。今はスマホ一台あれば、世界中の情報にアクセスできるでしょう。しかし、自分の立ち位置がわからないまま他の国が豊かである情報をみると、日本を批判したり、他の国を羨望してしまいます。

日本には古くからの歴史や文化があるのを知っていると、ただの批判や羨望ではなく、「他国にはない日本の良さからくる部分はどこか」という視点から考えられるのです。

國學を学び始める2つの方法|自分に合う知識の身につけ方とは

社会人や親になった今だからこそ、日本についてもう一度知りたい方も多いでしょう。國學を学ぶには、一人で始める方法と集団で学ぶ方法があります。それぞれの特徴を解説するので、学び始めるさいの参考にしてください。

まずは一人で始めたい場合

國學を学ぶコミュニティに抵抗がある場合や、近くに仲間がいない場合でも、國學の勉強は始められます。國學に関する書籍を読んだり、インターネットの記事や動画を参考にしたりするのが、一人で手軽に知識を得る方法です。

國學に触れてみると、そこで知った言葉をより深掘りして、さらに知識を深められます。

同じ知識を共有できる仲間が欲しい場合

國學を学びたいけれど、一人では続かない場合や順を追って説明を受けたい場合は、講座・ワークショップに参加してみましょう。最近ではオンライン講座やセミナーなどで家にいながら学んだり、受講生と共通の話をしたりできます。

「日本は素晴らしい国だ」と共通の認識を持つ仲間がいれば、さらに國學を深められ、自国への誇りを持ちやすくなるでしょう。

まとめ|現代の日本人が國學を学ぶメリットと知識を得る方法とは

國學を学ぶメリットと方法をご紹介しました。現代の日本人で、国への誇りを口にする人は少ないですが、調査の結果から心の中では「日本に誇りを持っている」人が多いといえます。

しかし、戦後の日本人が成し遂げた事柄に対する誇りが多く、日本の歴史に誇りを持っている人は少ないことがわかりました。日本の教育は、戦後に大きく変わったため、本当の歴史や理念がわからなくなったと考えられます。

現在、國學は書籍やオンライン講座などで誰でも学べます。日本がどのような物語で進んできたのかを知り、自己肯定感を高めながら、他国との違いを見極められるようになりませんか。